コンサルタント コラム 『テレワークvol.2』
テレワークには大きな問題を発生させる原因となる可能性があるとのお話を前回しましたが、想像されてみましたか。テレワークは、会社にとってもテレワーカーにとっ
ても時間を効率的に使うことができ、仕事にも集中できる、経費削減の効果が期待できる等々、大きなメリットをもたらす取組みであることに違いはないのですが。。。
テレワークが引き起こし得る大きな問題とは、コミュニケーション不足やコミュニケーションエラーによる業務効率の低下といわれています。テレワークによって、コミュニケーションは会議や打合せ、ミーティングといった対面での面談形式のものから、メールやSNS等のツールを使った文章のやり取りにとって代わっていきます。そこで発生するものがコミュニケーションエラーです。発生の理由は前々回までの本コラムでお伝えした通りで、“暗黙知が伝わらない=感情の伝達がうまくできない、意思疎通がうまくいかない”ことによるものです。また、社内で顔を合わせていれば、ちょっとした日常での世間話を含め、たくさんのコミュニケーションをとっていると思いますが、テレワークとなると、まず世間話はなくなり、その頻度は落ちることでしょう。コミュニケーション不足がコミュニケーションエラーの要因の一つとも考えられるかもしれません。
では何故、コミュニケーション不足やコミュニケーションエラーによって業務効率が低下するのか?おおよその想像がつくと思いますが、コミュニケーションの機会が減ると意思疎通がうまくいかなくなるでしょう。久しぶりに会う人とは、どこかよそよそしくなりますよね。意思疎通がうまくいかなければ、伝達ミスや誤解が生じる可能性が増えるでしょう。その伝達ミスや誤解が仕事に大きな影響を及ぼしてしまうことがあります。会社は多くの人(個人)が集まる組織です。その人と人とを結ぶ糸がコミュニケーションです。糸が太ければ太いほど(内容)、多ければ多いほど(機械)繋がりは強固になりますよね。
テレワークを導入すれば、必ずコミュニケーションは不足する(機会は減る)でしょう。昨今、会議の時短化や社内行事の縮小等により、会社ではコミュニケーションの機会が減少傾向にあると思います。この機会が減れば、コミュニケーションエラーが発生する可能性が高まり、仕事に大きな影響を与えてしまうかもしれません。一般的に日本人はコミュニケーションが“ヘタ”と言われます。文化の違いもあると思いますが、身振り手振りで全身を使ってコミュニケーションをとる欧米の人たち、日本人は違いますよね。個人的には“以心伝心”や“阿吽の呼吸”は、コミュニケーションの究極形と思っていましたが。。。このご時世、そうではないのかもしれませんね。
テレワークは、間違いなく会社にもテレワーカーにも大きなメリットをもたらすものと思います。業務業態にあわせて、コミュニケーション不足やコミュニケーションエ
ラーを可能な限り低減するための手段、場合によってはテレワークの頻度等々を検討することが、テレワーク制度の成功の鍵になることでしょう。会社にとってもテレワーカーにとってもWinWinとなるような仕組みづくりが望まれます。
このお話が皆さんの会社のお役に立ちましたら幸いです。