『番外編:新型コロナとデマとSNS』
-新型コロナウィルスの感染者への誹謗中傷が大きな社会問題になっています。-“コロナ”、“誹謗中傷”とググると自治体ホームページや首長コメント等がずらっ
とヒットします。パッと見ただけでも、多くの自治体ホームページに「新型コロナウィルス感染症に関する人権への配慮について…」というページがあることが分かります。それだけ、全国各地でこの問題が深刻なものになっています。
昨今の感染経路不明の感染者が増えている状況において、新型コロナウィルスは誰もが感染する可能性があり、当然のことですが誰もが罹りたくて罹るものでなく、明日は我が身の脅威です。感染が脅威だからこそ、その脅威の対象をあぶり出し、攻撃し、遠ざけようとしているのでしょう。近所で感染者が出た、となったら躍起になって詮索し、特定し、個人攻撃が開始されます。今の世の中、情報の真偽、善悪を別にして、SNSを媒体に瞬時に情報は拡散します。そこでは数の原理によって“偽”が“真”になることさえあります。最近でも“偽”情報、いわゆるデマの拡散によって自殺に追い込まれた有名人もいます。コロナに感染したことが周辺住民に知られ、ネット上での相次ぐ誹謗中傷、住所や顔写真まで公開されてしまい、引越しを余儀なくされた人もいます。
一般的にこれらのデマには個人情報も含まれています。デマと一緒に本人の知りえないところで個人情報も拡散してしまいます。しかしながら、現在、ネットのデマそのものを取り締まる法律は日本にはないようです。ただ、デマによっては刑事罰の対象になる可能性があるかもしれないこと、具体的な損害が生じた場合には名誉毀損罪や偽計業務妨害罪で民事上の損害賠償の対象となる可能性があるようです。ただ、ちょっと頼りないですよね。デマは噂となって瞬時に拡散します。そのデマが“偽”情報であった場合には、それを打ち消すための労力や風評被害は計り知れません。こんなときこそ本人の権利、利益を保護するための個人情報保護法に頑張ってもらいたいところですが。。。
デマの拡散はあってはならないことですが、自分がデマの拡散に一役かってしまうこともあります。SNSの手軽さゆえに、その情報の真偽を確認せずにリツイート等してしまえば、本人の自覚はなくても共犯者の仲間入りです。SNSによる情報の拡散は、9割の人が善意や正義感から行っていると言われています。その情報が“偽”であった場合には、計り知れない影響(苦しみ)を受ける人がいるかもしれないということを認識し、いま慎重な対応が求められてると思います。
落とした財布が返ってくる、サポーターが試合終了後の掃除をする等々、外国の人たちには考えられないような素晴らしい気質を日本人は持っています。“おもてなしの国”としも、これからも良識のある行動をとっていきたいものであります。